他院から相談があり、先週の水曜日に出張でTPLOを行ってきました。
10歳のキャバリアです。体重は約11kgでBCS4/5。軽度のCRFがあります。
いくつかプランを立てます。
以前はフィルムをシャーカステンに差し込んで、骨折手術のプランニングを行なっていました。
TPLOをやるようになって、改めてその時の訓練が活きてくるとは思いませんでしたが、現在はデジタルのレントゲンデータをモニターに映して、その上にこの薄い紙をのせ、手書きで骨を書いて、角度を測って、インプラント会社指定のインプラントをのっけ、コツきり部位、回転する距離などすべて記入します。紙に書いてやるということは習った方法ではないですが、骨折のプランニングからの私の習慣で、いくつかのプランを立ててからオペに臨みます。
Improve Internationalのmaster short courseでは、コンピュータ上で同じことが、ひょいひょいとできるソフトだか、ウェブサイトだかがあるのを紹介してもらいましたが、年間60万だったかなぁ・・・。とてもじゃないですがそこまでできませんので、私のベストの方法は、このようなアナログなやり方です。

2.7mmのスクリューを中心にしたもの。

2.4mmのスクリューで計画したもの。
このキャバリアKCSはちょっとぽっちゃりさんなので、2.4mm用に15mmブレードで骨きりをし、2.7mmのプレートをあてるのがベストだと思います。

抜け目のないように。さらに想定できるトラブルを処理できるだけのものを 全て持って、他院さんでこの手のオペをするのは、かなり困難なことかもしれませんが・・・。
術中レントゲンしかありませんが、ラテはこんな感じ。

最後の1本を入れて。

APはこんな感じです。術中レントゲンなので、色々写っていてわかりにくいかもしれませんが・・・。
15mmブレードで切って、2.7mmのTPLOプレートをあてたので、結構キチキチな感じですが、当初の予定通りできました。
今日が、オペ後6日目です。
跛行はありますが、術前より上手く歩けているように見えるのは、術者の欲目でしょうか???
〇〇動物病院の皆様、オペに呼んでくださり、また術後のお世話をしてくださりありがとうございました。お疲れ様でした。
ワンチャン、お大事にしてくださいね。
R1.8.19

術中レントゲンのコツきりラインがわかりずらかったですが、今日送っていただいたレントゲンを見る限り、まずまずの角度かなと思います。
歩様はさらに改善しているとのことでした。