新型コロナの感染拡大が止まりません。大切な予防対策は二つ、(1)手をよく洗うこと、(2)手で顔に触れないこと、です。飛沫感染よりも直接触れる接触感染の経路を断つことが大事だと、ニューヨークでコロナの治療の最前線に立って治療をしている、Dr. David Priceはフェイスブックに投稿されており、米国Fox Newsでも取り上げられています。
さて本題です。前十字靭帯断裂の治療である骨切り矯正手術は、当院では2018年から開始し、TPLO10症例、CBLO1症例を行いました。どの症例も大変経過が良く、飼い主さんもスタッフも私も、満足しています。10年ちょっと前から、日本の獣医臨床にも入ってきたにも関わらず、スタートが遅くなったのは、私の見る目がなかったからだなと反省しています。ボーンモデルのラボ2回、カダバーを使ったラボ2回に参加し、半月板処理と関節外法の学び直しも含めて、しっかりと準備を積んだのち、200万余かけて動力や必要な器具、インプラントを一通り揃えて始めました。
今回の症例は、11歳、ヨーキーmixでBW4.80kgです。
TPAは36度と計測されました。TPLO単独ではギリギリの角度です。
ブレードは、10mm, 12mmの2サイズ。プレートは、VOIの2.0mmと2.4mmの2サイズ。バックアップにFixinのマイクロTプレートの装着もできるよう準備しました。
術前のレ線と測定は、以下の通りです。反対側の大腿骨遠位のインプラントについては当院でおこなったものではないので詳細は不明です。

仕上がりはこんな感じです。

12mmのソーで骨きり。2.0mmのTPLOプレートで固定しました。1本スクリューが正しく入っていない感じがありますが、許容範囲だと思います。
スクリューが小さくなればなるほど、ネジ山が小さくなり、正しい方向にスリーブを入れることが難しくなります。器具の滅菌の前に、ドリルスリーブをすべてのホールにねじ込んでおくことで、より正確に入れられるようになると思ってやっていますが、今回は1本はうまく入らなかったようです。